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【トランスリンクニュース1】
急増する米国特許訴訟件数


米国特許訴訟件数は、2000年以降2009年までは略3000件弱の件数で推移していたが、2010年には約33%増加の3700件となり、2011年には約9%増加の4015件となり、著しい増加を示している。*1 さらにこの傾向は2012年にも続き、2012年は5817件に増加したということである。このうち日本企業がどのくらい関与しているか定かではないが、10%は下らないだろうといわれている。*2

 

ついでながら、中国における特許訴訟件数も著しい増加傾向にあり、2010年が前年比31%増の5785件であったのが、2011年にはさらに35%増の7819件となった。

 

このように特許訴訟が増加する要因は、特許トロールによる訴訟もあるとは思うが、一番は知的財産を活用して市場における競争力強化を図るという企業の知財戦略にある。それは最近のアップルと三星電子の、世界の主要国における知財訴訟合戦を例に引くまでもなく、いかなる分野の企業でも訴訟だけではなく、ライセンスや特許プール活用など自社の特許をどのように活用していくか、アジア企業が大きく台頭する中真剣に戦略を練らなければならなくなっている。

 

このような状況においては、活用できる特許の取得が重要であり、これまでのようにいたずらに件数を追って特許が取れればいいということではなく、国内出願から外国出願の準備に至るまで十分な検討を行うようにしたいものである。

 

特に、翻訳会社としてコメントしておきたいのは、国内出願の明細書が明確にそして十分に記載されていることは勿論であるが、たとえその明細書の内容が十分であってもそのまま型通り翻訳されたのでは不明確で不十分なものにならざるを得ないということである。十分な語学力があることは勿論のこと、技術を理解でき、特許明細書に習熟した翻訳者でなければ、活用できる特許の前提となる特許明細書の翻訳はできない。

 

 

*1 “2012 Patent Litigation Study” PwC

*2 パテントVol.62, No.12